活動報告

古着deワクチン

2015年07月31日

バヌアツ共和国について

Flag_of_Vanuatu

  • 日本とバヌアツ共和国の時差は日本時刻+2時間
  • 西にオーストラリア、北にソロモン諸島、東にフィジー、南にフランス海外領土のニューカレドニアがある
  • 83の島があり、約66の島に人が住んでいる
  • 人口約26万人(首都ポートビラ・地方に住んでいるのは約75%)
  • バヌアツに対し、JCV様はペンタバレント(5価ワクチン)とコールドチェーンの支援を行っている

2014年バヌアツ/レポート

バヌアツ地図

今回、視察に伺ったのはバヌアツの首都ポートビラから離れたエスピリッツサント島のルーガンビルとビッグベイブッシュという所です。バヌアツは、一部富裕層が国民総所得(GNI)を引き上げているために、国際支援団体が定めているワクチン支援基準(GNI1000ドル未満)を超えるという理由から支援対象から外されています。リゾート地ということもあり、見た目には貧困国というには分かりづらいですが、国民の約7割が貧困と言われています。

保健省で伺った話によると、残念ながらBCGとはしかが前年度を下回る結果となっており、理由としては「経済的事情」「はしかのワクチンを打つことを忘れていることが挙げられるそうです。

2011年から導入されているペンタバレント(5価ワクチン/1回でジフテリア・百日咳・破傷風・B型肝炎・HIBによる髄膜炎の5種類の疾病に対して免疫を付与できる)の接種も2012年から下がっており、病院・保健所では接種されていましたが、アウトリーチサービス(出張ワクチン接種サービス)ができていなかったという事でした。アウトリーチサービスに関しては、アクセスをするための燃料費などの資金が非常に不足している状態です。

昨年は、徹底的な接種率の調査として各地方に出向き、1軒ずつ家を周り、接種カードのチェックなどをしたところ、すべての必要な予防接種を受けている割合が約33%という低い状況という事が分かったそうです。なぜ、予防接種率が低いかというと、ペンタバレントを打ってから6か月後にはしかの予防接種を打たなければなりませんが、半年というギャップで母親たちは、半年後に予防接種会場に行って受けさせることを忘れてしまい、地域を管轄している人も把握しきれていない、という問題があるため、はしかの予防接種が低くなり、それによって全体の予防接種をクリアしている率が低くなっているという事に繋っていました。

バヌアツの子どもたちのうち、地方に住む子供たちの方が低い接種率とはいえ、ポートビラ市内でさえ、はしかの接種を忘れられてしまい受けられない子どもたちが約40%、必要な予防接種を受けている子どもたちは60%にしか過ぎない状況になっています。更に、バヌアツ全土で、約20%の子どもたちは、全く必要なワクチンを受けていないという事実を教えていただきました。バヌアツでは、様々な周辺国の観光客を受け入れていることもあり、人の往来が激しく、接種ができていない子どもたちは常に感染症のリスクにさらされています。
しかし、新しく保険大臣に就任された方は、バヌアツの医療を良くしていくことに熱心で、多くの知見を入れようと努力をされているということでした。

中央保冷庫を見学させていただきましたが、ワクチンが入っている電気式保冷庫は2~8℃にしっかり保たれていることを確認いたしました。この保冷庫も、JCV様の支援を通じてサポートしていただいているものでした。

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▲電気式保冷庫

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▲保冷庫の温度計(左)と新しいソーラー式保冷庫(右)


2009年から2013年にかけて、60台のソーラー式保冷庫を導入し、追加の10台を2014年中に設置運転する予定となっており、これによりガス式の保冷庫のガスを節約できるということでした。ガスで保冷庫を動かすにはリスクがあり、ガスが無くなれば保冷庫は止まってしまい、接種ができなくなることを意味します。また、ガスは国から支給されるもので、現在は、ガスの供給が無いためほとんどのガス式保冷庫は動いていません。
通常コールドチェーンの機器は20年ごとに取り換える必要があります。しかし、バヌアツの保冷庫の一部は、すでに30年を越えて運用していました。地方(サント島)では、電気が通っていないので、ソーラー式の保冷庫に取り換えていく必要があるとの事でした。

今回、エファテ島エラタップでのアウトリーチサービスを2か所見学させていただきました。集まっていたお母さんは「子どもにワクチンを打たせてあげることができて嬉しい」と喜んで来てくれていました。この集落では、ナースが通ってワクチンの重要性を教えているにも関わらず、お母さんは何故ワクチンを打つのか理解していませんでした。
その集落から車でわずか2分ほどの距離のところで、もう1か所のアウトリーチサービスを見学しました。たった2分ほどしか離れていませんが、1か所にまとめてしまうと距離が遠いお母さんたちは接種に来ないので、2か所に分けて接種を行っていました。

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▲エラタップでのアウトリーチ

道中、川を3回渡りたどり着いたサント島のアンゴン村では、チルドレンズデイで少し大きな子どもたちはサッカーの試合やバレーボールを楽しんでいました。村の集会所でのアウトリーチサービスでは、集まっているお母さんたちにヘルスセンターのスタッフがワクチンについての説明と助言をしているところを見せていただきました。

また、子どもの体重を計る際には、男性2人が1本の棒を持ち、吊るした布に子どもを入れ体重を計るという、日本では見られない光景も見ることができました。

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▲川をわたっての移動

このアウトリーチサービスは年4回周辺部の村に行っており、一番遠いところでは片道1日かかるそうです。(1泊して、翌朝接種をし、その日に戻るという事で2日間かかる)
大きな問題としては、アウトリーチサービスのために必要な経費のほとんどを、ナースが自己負担しているという事実があるということです。

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▲サント島アンゴン村でのアウトリーチ

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▲バヌアツの子どもとお母さん

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▲ヘルスセンターのナース

予算不足や人材不足など様々な問題をかかえているとはいえ、日本では考えることのできないことばかりを実際に見聞きした視察になりました。村に住むお母さんたちは、ワクチンを打つ意味を理解していない方が多く、必要性を理解してもらうことの重要性と、知らせる・伝えることの重要性を強く感じました。しかし、一つ一つの村が離れていることや、奥地にある村を実際に目の当たりにすると、知らせることがいかに大変かという事実を思い知らされました。今後支援させていただくにあたって、その国によっての支援の在り方があると思いましたし、何よりもその国の風土や国民性を活かせるような柔軟な考え方や接し方が必要になってくると思いました。

「古着deワクチン」を通してお預かりしたご寄付が、バヌアツの子どもたちの笑顔を生み出していました。ですが、バヌアツは、まだまだ支援が必要な国です。私はその事実を知り、一人でも多くの方に喜んでご利用していただけるような「古着deワクチン」を目指し、一人でも多くの子どもたちに継続した支援をさせていただけるよう精進して参ります。

いつもご丁寧にご対応いただいているスタッフの皆様、現地で一生懸命働いてくださるスタッフの方々、「古着deワクチン」をご利用してくださっているお客様、携わってくださっている皆様に心より感謝を申し上げます。最後までお読みくださり、ありがとうございました。今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

 

日本リユースシステム株式会社
島根 千恵