活動報告

2019年 バヌアツレポート part6

5日目は、まずルーガンビルから西へ30㎞、車で約1時間のブールスエペという村に向かいます。
この日は、今までの支援活動で出会ってきた中で一番とも言えるくらい尊敬できる看護師さんに出会いました。
(もちろん、すべての看護師さん、スタッフさんも素晴らしかったです!)

バヌアツの特産品であるココナッツファームがたくさんあり、もちろん牛もたくさんいました。

途中は、川の水が橋の上まであふれているようなところも通りました。

ここでは、今まで行った保健所(ヘルスセンター)の管轄下の「ディスペンサリー」と呼ばれる診療所に行きました。
深い緑の森に囲まれたところにあります。


ここでは周辺の11の村を管轄し、人口は3000人ほどで、そのうち1歳未満が約100人だそうですが、毎月赤ちゃんが生まれているので、どんどん増えているそうです。
この診療所には、看護師が1名、保健師1名、研修生が1名の計3名で運営されています。

こちらの右の女性が看護師のケレンさんです。

ケレンさん、今まで支援活動で出会った中でも一番と言えるくらい、とても几帳面に管理していて、その献身ぶりに感動しました。
村ごとに子どもの登録帳を作って、5歳になるまで保管して、ワクチン接種ができているか管理できるようにしているそうです。

以前は看護師さんも2名いたそうですが、今はカレンさんだけになりました。
独自に毎週木曜はお母さんと子どものプログラムを開催して、ワクチン接種、子どもの健康管理を訴える啓発活動を続け、その一方で、毎週片道5時間歩いて点在する子どもがいるお家を訪ねて、ワクチン接種をしに行きます。
担当しているエリア内だと6時間歩くところもあるそうです。

この写真の地図が、ケレンさんが担当しているエリアです。
住民がいるところが書かれています。
点線のところは、ブッシュロードと言って、車では通れないので徒歩で行く道です。
ほぼブッシュロードなのがお分かりいただけるでしょうか。

ケレンさんは毎週このどこかにアウトリーチでワクチンを接種しに行っています。
片道5~6時間かかるということは、日帰りは難しいですので、そうなるとその接種に行った村に泊まって戻ってくるそうです。

誰かが病気だとか、遠い村で子どもが生まれたというウワサを聞けば、そこに行くそうです。
ここでは情報はほぼウワサで流れてくるそうなのですが、それがけっこう確実なのだそうです。
インフラ整備が整っていないので、電波も届かずスマホも使えない地域が多いため、このウワサが重要な情報源とのこと。
人と人との繋がりがあり、周りを大切にする関係性だからこそ成り立っています。

こちらは、ワクチン保冷庫の温度管理表です。
ちゃんと毎日2回ずつ検温しています。
ワクチンごとに保冷温度が決まっているので、とても大切な仕事です。

ここの保冷庫もソーラーのため、雨や曇りが続くと、適正な温度がキープできず、ワクチンがダメになってしまいます。
そのため、少し温度が高くなってきたら、近隣の保健所まで移して、品質が維持できるようにしているそうです。

こちらは、ワクチン接種の管理で、ディスペンサリーで行ったものと、アウトリーチと分けてしっかり管理されていました。

こちらはケレンさんが考えた診療スケジュールです。
木曜のお母さんと子ども向けプログラム以外にも、毎日計画されていて、みんなの健康管理をしたいという思いが伝わってきます。
外来受付の日、出張診療の日などがあります。

さて、この日は木曜だったので、ワクチン接種に何組かの親子が来ていました。
みんなが車を持っているわけではないので、誘い合わせて徒歩と車で2時間かけて来たそうです。
この時出会った親子のお姉ちゃんは、産まれてすぐに必要なワクチンは受けていないそうです。
だんだんとワクチン接種率が上がっているわけですが、家族の中でこのような差が出てしまうのは、残念ですよね。
全員がちゃんと接種できるようにしたいと考えさせられました。

カレンさん、コールドボックスに、その日に使う分だけのワクチンを準備しています。

保健師さんと一緒に、母子手帳と登録帳を照らし合わせて、必要なワクチンをチェックしつつ、健康チェックもしていきます。

ポリオワクチンの接種です。
ケレンさん、泣いてる赤ちゃんをあやしながら、スムーズにワクチン接種をしていきます。

2人の赤ちゃんのワクチン接種の動画はこちらからご覧ください。
この時は4か月の男の子と、2か月の女の子でした。

接種が終わると、必ず次回のアポを伝えます。
そうすることで毎月健康状態をチェックすることができるようにしているそうです。

ケレンさんと保健師さんのハードワークに感謝を伝えました。
自己犠牲の伴う仕事ですが、すごく誇りをもって働いていらっしゃいました。
電気事情など、すごく限られた環境の中で、できる限りの工夫をしてベストを尽くされている姿に、ただただ感動し、尊敬の念を抱きました。
このような場所での医療の維持ということが、いかに大変なのか、身に染みて分かりました。
ケレンさんたちからも、ワクチンの寄付がバヌアツの子どもたちの命や健康を守るために、どれだけ助かっているかと、お礼を伝えてほしいとのお言葉をいただきました。

さて、この後は1時間ほどかけて、北部にあるホグハーバーの診療所(ディスペンサリー)へ行きました。
ここは、サント島で一番有名な白い砂浜のシャンパンビーチが近くにあります。

こちらが看護師のフランシスコさん、あともう一人の保健師さんで毎日15-20人ほどの患者さんを診ているそうです。

この近辺のいくつかの村をカバーしていて、人口は約2000人、1歳未満の子どもは48人で、就学児が600人ほどなので、本当に子どもが多いことが分かります。

ここには2015年からソーラー保冷庫が設置されたそうですが、それまでは13㎞ほど離れたポートオリーという町まで毎回ワクチンを取りに行っていたそうです。

ここがカバーしている中で一番遠い村でも車で30分くらいで、アウトリーチも基本的には全部車で行けるそうですが、この車が1台しかなくて、車が故障するとアウトリーチに行けなくなってしまうこともあるとのことでした。

診療所の内部です。
こじんまりとしていますが、整えられています。
 

ソーラー保冷庫とソーラーパネルです。
これだけ天気が良ければいいのですが、やはり雨や曇りが続くと、保冷ができないので、近隣の保健所に移動させるそうです。
 

一緒に行った方たちと、ソーラーで蓄電すればいいのでは?という話も出たのですが、ソーラー蓄電池となると、また高額になること、そして修理するエンジニアがいないという問題があるとのことでした。

私たちの考える常識が、どこでも通用するわけではなく、その国ごとに抱える問題と解決方法があるのだと感じました。
もし企業がソーラー蓄電池を寄付したにしても、エンジニアがいないと壊れた後に修理できず、そのまま放置される結果になってしまうことを考えると、その国で維持管理できるベストを考える必要があります。

この日は、どうしたら解決できるのだろうかと、参加者で少し熱い議論を交わしました。

夜には、またポートビラに飛行機で戻りました。
6日目は実質の最終日です。
日本大使館の大使にお話を聞くことができました。

Part7に続く。

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