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2016年 ミャンマーレポート

2016年 ミャンマーレポート

ミャンマー連邦共和国について

ミャンマー連邦共和国について

  • 日本とミャンマーの時差は-2時間30分
  • 面積は68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)
  • 人口は約5,141万人(2014年)
  • 多民族国家で、ビルマ族が約70%、その他多くの少数民族
  • 東南アジアに位置する共和制国家
  • 首都はネーピードー(2006年以前はヤンゴン)

2016年ミャンマー/レポート

2016年10月30日~11月4日の期間、ミャンマー支援活動に参加させていただきました。
今回はヤンゴン周辺のUNICEFや中央保冷庫を訪問し、その後中部のシャン州へ移動し、タウンジー区を中心とした支援活動を行わせていただきました。

到着の翌日にヤンゴンにあるUNICEF事務所に向かい、ワクチン接種に関するブリーフィングに参加いたしました。2016年は認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)様がミャンマーへの支援を開始してちょうど20年目にあたる節目の年で、これまでの支援に対する感謝と今後の計画について話されました。
ミャンマーではポリオ根絶のためにNIDs(全国一斉予防キャンペーン)が実施され、2014年にポリオフリーの宣言が出ましたが、その後残念ながら北部地方でポリオ発症が確認されたそうです。そこで、ポリオワクチン含む予防接種について以下の目標を含む、2017年から2021年の計画について教えていただきました。

  • 目標とする子どもたちに確実にワクチンを届ける
  • ワクチン接種の必要性についての教育を広める
  • コールドチェーンを含めた、ワクチンに関わるサプライチェーンの強化とマネジメント
  • ポリオの撲滅

ヤンゴン市内 UNICEF事務所でのブリーフィング会場

▲ヤンゴン市内 UNICEF事務所でのブリーフィング会場

3日目にはヤンゴンからタウンジーまでの約630kmを飛行機で移動しました。東京から広島程の距離ですが、ワクチンは飛行機ではなく車で運ばれるそうで、とても驚きました。日本のような高速道路はなく、舗装されていないガタガタの道を通ることもたくさんあり、そのような中で温度に敏感なワクチンを適正に運ぶことが求められます。日本の皆さまからお預かりした寄付がワクチンとなり、ミャンマーの地方に住む子どもたちに届くまでの大変な道のりを、ほんの一部ですがよく知ることができました。

ミャンマーの道路(左)、ワクチンを届けるための手段が書かれた地図(右)

▲ミャンマーの道路(左)、ワクチンを届けるための手段が書かれた地図(右)

その日にはシャン州知事の表敬訪問や保健局の視察もあり、「子どもたちのための寄付に心からお礼申し上げます。」という知事のメッセージや、「ワクチンや関連する施設への寄付をいただき感謝すると共に、大切に維持できるように努めてまいります。」という保健局長のお言葉もいただきました。

翌日は待ちに待ったMyauk Myay Char村での予防接種会場視察でしたが、到着すると伝統的な音楽と「JCV 20年のご支援ありがとう」という紙を掲げ、民族衣装を着た村の方が総出で歓迎してくださいました。人口が575人というとても小さな村でしたが、集会所には予防接種のため近隣の村に住むお母さんと小さな子どもたちがたくさん集まっており、母子手帳を持って静かに順番待ちをしていました。ミャンマーでは2カ月、4カ月、6カ月の子どもに経口ポリオワクチンを接種することが決められていて、看護師の方が手際よく次々に投与し、終了したお母さんに「接種後お子さんが熱を出しても慌てず様子をみて。」と一人一人に声をかけていました。

Myauk Myay Char村と予防接種会場の様子1

Myauk Myay Char村と予防接種会場の様子2

Myauk Myay Char村と予防接種会場の様子3

▲Myauk Myay Char村と予防接種会場の様子

Myauk Myay Char村は山岳部に位置する交通アクセスの悪い場所にあり、舗装されていない道路を車で揺られた先にたどり着いた村でした。ミャンマーにはこのような村が多く、ワクチン接種を担当する看護師さんは車ではなく、徒歩やバイクで向かうことが多いそうです。そのような中でも、この地区のポリオワクチン接種率は2015年には85%と高く、Myauk Myay Char村の方によると「ワクチン接種のおかげで、以前よりも亡くなる子どもや、病気になる子どもがとても減っています。」と実感されていました。

Myauk Myay Char村の様子

▲Myauk Myay Char村の様子

近年ミャンマー政府は保健分野に優先的に力や予算を配分しており、子どもやお母さんのワクチン接種にも積極的になっています。また、真面目な国民性のおかげか、ワクチン接種率が高く、予防接種に対する意識や教育もしっかりとして、「いただいた支援を無駄にしないように」という現場の方の強い思いもたくさん感じました。ですが、ワクチンに関連した機材の老朽化や、インフラ整備の遅れ、日本では考えられない特有の問題なども多く抱えており、もどかしい思いと共にまだまだ支援や協力が必要だという印象を受けました。
今回初めて支援活動に参加しましたが、行く先々でたくさんの「ありがとう」の言葉をいただきました。それもひとえに「古着deワクチン」を通してご支援くださった皆様と、関わってくださっている方のおかげであると、心より感謝申し上げます。
  

日本リユースシステム株式会社
鈴木 詩織

Myauk Myay Char村の母子

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