2014年 ラオスレポート
2014年 ラオスレポート
ラオス人民民主共和国について
- 日本とラオス人民民主共和国の時差は日本時刻-2時間
- 中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーの国境に囲まれたインドシナ半島の内陸国
- 面積約24万平方キロメートル(日本の3分の2)の国土の8割が山岳地域を占める
- 人口約630万人(首都ビエンチャン73万人)人口は国土に広く分散
- 49の少数民族からなる多族国家(約6割がラオ族)
- 2010年に日ラオス外交関係樹立55周年を迎えた
2014年ラオス/レポート
この度、JCV様のラオス視察に参加させていただきました。ご報告といたしまして、こちらのレポートを提出させていただきます。まず始めに、お忙しいなか「古着deワクチン」に携わってくださる皆さま、ご利用いただいているお客様に心より御礼申し上げます。
今回の大きな目的としては、2つございました。1つは『お客様からお預かりした寄付がどのように使われているのか?』の確認。2つめは、『コールドチェーンに必要なオートバイやクーラーボックスも寄付させていただいていることをお客様にご報告する』ということでした。
視察に伺ったのはラオス最北部に位置しているポンサーリー県。有名なルアンパバーンからは約60kmのところに位置しており、移動は車で約13時間かかります。ラオスでも、接種率が悪いといわれる場所です。理由としては、90%が山岳地帯という地理的状況、基礎教育が低く理解力が低いため、ラーオ語ができるスタッフが少ないという人的資源不足、保健所が少ない、ということからアウトリーチサービスが困難になっているようです。
前回のラオス視察で、ワクチン以外の支援ができるという事を知り、今回、コールドチェーンに必要なオートバイの支援に繋がりました。10台中8台が、ポンサーリー県・2台が前回伺ったルアンナムター県で活躍することになります。このオートバイ1台で子ども200人、妊婦さん200人を救えるということになり、10台贈らせていただいたので4000人の命を救えることになります。
インフラ整備が整っていない地域にワクチンを届ける為には、ワクチン以外の支援も必要だということを、多くの方に知っていただくことも大切だと感じました。
▲贈呈されたオートバイ
村までは、砂埃で前も後ろも見えづらい中での車移動。でこぼこな山道をただひたすら走り、山道には柵などはもちろんなく、映画のワンシーンのような風景で現実味がまるでありませんでした。進んでも進んでも、舗装のされていない山道が続くばかり。本当にこんな山の奥地に人は住んでいるのだろうか、と村に着くまで半信半疑でした。このような道を、ヘルスワーカーの方々は毎回行き来して接種を行っていると考えると、本当に、本当に頭が下がる思いです。「車で移動できるだけまだいい」と聞いた時には、言葉がでませんでした。
今回伺った村はマイ群のキューカレア村です。車から一歩でた途端、子どもたちが、はにかみながら笑顔で出迎えてくれました。村に入ると豚や犬が泥だらけでいて、排せつ物が普通にいたる所にあったり、子どもたちの目線に家の屋根があったり、急に段差があったり。とても安全とはいえない所に住んでいると感じました。そんな中でも、子どもたちや、お母さん、村の人々は明るく元気に見えました。
▲キューカレア村の子どもたち
村の村長さんは感謝の言葉とともに「ワクチン接種を受け入れてから、病気で死亡する子どもが減りました。村人も増えているので支援をお願いします」とのお言葉をいただきました。ワクチンが届くまでには、JCVのスタッフの皆さまはじめ、たくさんの人が関わっているおかげがあって、子どもたちの命は守られていることを確認させていただきました。
残念ながら亡くなってしまった子どもたちもいると思うと、本当に悲しくなります。そんな悲しいことがこれ以上増えないように、1人でも多くの子どもたちが健康で育ってくれたらと思い、これからも「古着deワクチン」を通じて、支援を継続させていただきたいと思いました。ワクチン接種で終わりではなく、その先には健康的に暮らすための栄養や生活環境、将来生きていくための知識や教育も必要だと感じました。
▲クーラーボックス
▲キューカレア村 チューポー村長
余談になるのですが、村でのエピソードになります。私は、たくさんの子どもたちに囲まれ写真を撮らせてもらっていました。撮影し終わり「ありがとう」と何度も言ったあとに、通じないことに気づき「コプチャイライライ(ラーオ語でアリガトウという意味)」と手を合わせました。そうしたら1人の男の子が「アリガト」と言ってくれ、そのあと周りの子どもたちも片言で「アリガト」と言い「アリガトの嵐」が起きました。何だか、気持ちが通じたようで、とても嬉しくなりました。別の場所で写真を撮っていたら、さっき輪の中にいた男の子が来て「アリガト」と、わざわざ言いに来てくれました。その時、「どこの国・どこの場所でも、子どもたちは、大人がみんなで守ってあげないと!」と強く感じました。
▲キューカレア村のお母さんと子どもたち
また、予防接種後に『2歳以下の子どもたちには解熱剤が出されるようになっている』ことを知りました。これは、まれに接種後に熱を出す子どもがいると、お母さんは怖がってしまい、接種に来なくなってしまうことがあったそうです。この解熱剤は100%ラオス政府の運営で実施されているという事を知り、ラオスの進歩を感じました。このことが、お母さんの安心材料になって、継続的な予防接種に繋がることになるので、とても良い取り組みだと思いました。
私たちが彼らの生活を少しでも知ることで、他の知らない人に伝える事ができます。彼らに代わることはできないけれど、私たちができることは、まだまだ、たくさんあると思いました。それは『ラオスをもっと知る』ことかもしれないし、『人に伝えること』かもしれないし、『寄付をさせていただくこと』かもしれないし、他の方法かもしれません。彼らの幸せや健康を願い、自分の頭の中で考えるだけではなく、行動にうつしていき、各々ができることを継続していくことが大切なのだと思います。そのためには、お客様に喜んで利用していただけるような「古着deワクチン」にしていくことだと考えております。
今回のラオスで感じたこと、見てきたこと、経験したことは忘れられない出来事になりました。この経験を活かし、これからの活動に役立てていきたいと思っています。1人でも多くの子どもたちが笑顔で生活し続けることができるよう、私は、日本でできる限りのことをしていきます。沢山の方々の気持ちが集まって形になることで、世界の子どもたちの笑顔を作っていることを改めて実感できました。皆さまに心から感謝申し上げます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
日本リユースシステム株式会社
島根 千恵