2018年 ブータンレポート part3
2018年 ブータンレポート part3
今野:4日目は首都ティンプーにある国立病院を訪問しました。
さすが首都の病院だけあって、たくさんの人が来ていました。産婦人科にあたる病棟は増築中だそうです。
こちらの病院では年間1500人程の子どもたちにワクチン接種をしているそうです。またアウトリーチサービスもされていますが、ハやパロでの事情とは違い、こちらの病院での混雑緩和という意味合いが大きいそうです。
国全体では95%以上の接種率になってきているようです。
何より驚いたのは、ブータンでは出産での入院は一泊が基本だそうです。
ちょうどワクチン接種を見させていただきましたが、みんな前日の夜に生まれたばかりの、ホヤホヤの新生児たちでした。さすがにお母さんは疲れているので、だいたいお父さんや家族が赤ちゃんを抱いて接種に来ていました。そして、午前中に接種が終わると、昼過ぎには退院するのだそうです。
なかなか産まれて次の日の赤ちゃんに会う機会がないですが、フニャフニャしていてかわいかったですね。
ポリオワクチンが口に入った瞬間、顔がびっくりしたようになっていて、産まれたてでも味が分かるんだなぁと妙に感心してしまいました。
石原:本当に一泊で退院というのはびっくりしましたね。
24時間以内に打つように定められているワクチンがあるので、それを打つためにしっかり管理もされていましたね。
私たちが見させていただいた間だけでも、6人以上の赤ちゃんが待機していたので、それだけ産まれているんですよね。建設ラッシュで建物も増えて、首都に人口も集中していると聞くので、納得です。
今野:また、ブータンの母子手帳ですが、妊婦検診の時に作られ、そこで赤ちゃんのワクチンも管理され、病院のカルテとデータが合わせられます。病院にかかる時には必ず持って行き、そこで必要なワクチンが接種されているのかチェックしているそうです。また、小学校でも提出が必要で、学校のヘルスコーディネーターがそれを元に管理しているそうですよ。
下の写真で赤ちゃんの横にあるのが母子手帳です。身長や体重などのデータを元に、順調に成長しているか確認して、必要であれば栄養指導などもしているそうです。
大きくなった子も計測やワクチン接種をしに来ていました。
ちょうどJICAから派遣されている青年海外協力隊の助産師さんがいらっしゃって、少しお話しを伺いましたが、ブータンでは妊娠6か月頃から、安定している妊婦さん向けにエクササイズを提供していて、けっこうハードな運動もしているそうです。
石原:ちょうどレッスンも見させてもらいましたが、ヨガのようなことをしていましたね。産婦人科のところを見る限りでも、JICAから派遣されている方以外に、多くの外国からの先生がいましたね。そういった支援が各国からされているんですね。
今野:ワクチンの中央保冷庫にも行きましたが、こちらにも青年海外協力隊の技術者の方がいらっしゃいました。
ワクチンは、種類によって決まった温度管理が求められ、「古着deワクチン」で支援させていただいている経口ポリオワクチンは冷凍保存が必須です。みなさまからの支援が無駄にならないようにと、徹底した温度管理がされています。
石原:もしもの時に備えて、温度チェッカーみたいなものがあって、既定の温度から下がると、すぐ担当者に警告が知らされるようになっていましたね。
Part4に続く…
特定非営利活動法人 燦
福祉作業所 天成舎
石原久子
日本リユースシステム株式会社
エコ得スッキリ・ライフサービス事業部
今野 優子