2020年活動報告
2020年活動報告
国内でもコロナ禍と言われ始めてから1年が経過しようとしています。
ご覧いただいているみなさまにおかれましては、健やかにお過ごしのことと願っております。
また、今も最前線で対応してくださっている医療従事者のみなさまには、心より感謝申し上げます。
さて、2020年は本来であれば、春と秋に支援国に訪問させていただき、支援活動を行う予定でした。
しかしながら、全世界に猛威を振るう新型コロナウイルスの影響により、断念せざるを得ませんでした。
実際に現地に行くことはできませんが、少しでも現地の状況をご報告できればと思い、ワクチンを寄付させていただいている「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」様から、現地UNICEFや保健省から寄せられた情報をお知らせいただきました。
元々予防接種をはじめとする医療体制が脆弱なため、JCV様も支援をされていますので、コロナ禍における予防接種が、ちゃんと行われているのか心配しておりました。
やはり、大変な状況であることには間違いないようです。
では、それぞれの国からのご報告です。
(以下情報は、認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)様からご提供いただきました)
2020年4月にはロックダウンのために予防接種も中止されていたのですが、2020年6月には再開されたそうです。
2019年と比べても接種率は4%減にとどまっているとのことでした。
JCV様からもコロナワクチン対策として保管設備を充実させるためにウォークイン保冷庫・冷凍庫の支援をされたそうです。
ミャンマーでは、ワクチン接種会場に入る前に手洗いと検温を行い、密にならないよう広い会場を使用しています。そして、大人もワクチン接種を待つ子どももフェイスシールドやマスクをつけていました。
医師や看護師、病院も不足し、小さな診療所へ行くために徒歩で1日かけて山道を移動しなければならない村も多くある途上国にとって、感染症の拡大は日本以上に大きな脅威です。感染症を予防できるワクチンは、子どもの命を守るために大きな効果を発揮しています。「ワクチンで助かる小さな命を守りたい」という皆さまの思いは、現地の医療スタッフの手により、今日も支援国の子どもたちに届いています。
先日のクーデターによる影響も心配されています。
また情報が入りましたらお知らせいたします。
ラオスも元々スタッフ不足や、ワクチンの保冷庫不足、地理的な問題で、予防接種率100%には届かない状況でしたが、コロナ対策に保健スタッフと予算が振り分けられ、ワクチン接種率は急速に下がっているそうです。
特に、道路のないような集落へのアウトリーチによるワクチン接種活動が大きな影響を受けており、3人に1人が、1歳までに必要なワクチン接種を受けられない状況とのことです。
これは長期的な影響が危惧されており、対策を講じているようです。
アウトリーチとは、病院、診療所、保健所などが近くにないために接種に行くことが難しい地域へ、保健スタッフがワクチンを持って接種に行くことです。
車が行けるところまでは、デコボコ道を何時間も走り、車が通れないところはバイクで走り、また、徒歩で何時間もワクチンを運んで、その集落の接種会場に行くことも多いです。
時には、一人の子どものために行くこともあります。
アウトリーチなしでワクチン接種ができる地域は決して多くありません。
2020年8月から9月にかけて、全国的なロックダウンがありましたが、コロナの大きな感染拡大は無く、感染対策をしっかりとりながら、通常のワクチン接種活動は行われているそうです。
コロナワクチン導入に向けた検討もされているそうです。
ブータンは以前の活動報告でもお伝えしましたが、標高3000mを超える地域が多く、山間部に集落で暮らしている人も多くいらっしゃいます。
コロナの感染が抑えられていることは非常に嬉しいニュースですが、通常でも接種活動には苦労されているので、このまま大きな影響なく行われることを願います。
ロックダウン体制が続いていることで、子どもを病院や接種会場に連れていく親が減り、予防接種率が大幅に下がってしまったそうです。
2018年のデータで接種率が90%でしたので、さらに低くなってしまったようです。
また、2020年4月にはサイクロンによりワクチン保冷施設や関連機器が破壊されてしまうという被害に遭いましたが、迅速な対応によりワクチン接種活動への影響は最小限にとどめられたそうです。
ずっと感染者を抑えられていたものの、2020年末に帰国者から1名の感染者が発見されたそうですが、早期発見と対処で感染拡大にはならなかったとのことです。
しかしながら、世界情勢を受け、2021年7月までは商業品以外のロックダウンが決定しているのとことでした。
2019年の活動報告でもお知らせしましたが、バヌアツは83の島々からなる国です。
その島の多くは飛行機では行けないので、船でワクチンを運んでいます。
また、毎年サイクロンの被害があるので、病院や保冷庫などもダメージを受けてしまいます。
そのような中でコロナ感染が広がると大変なことは容易に想像ができます。
ロックダウンは住民の方には苦労もあるかと思いますが、感染が拡大していないことは何よりかなと感じています。
以上、支援させていただいている4か国のご報告でした。
開発途上国では、もともとワクチン接種率が100%には届かず、スタッフ不足や、物資不足、地理的・文化的問題が立ちはだかっていました。
その上に新型コロナウイルスが、どれほど現地に影響を及ぼすか心配でなりません。
あの時に会った子は元気にしているだろうか、と写真を見ると考えてしまいます。
今のところ大きな被害には至っていないものの、今の予防接種率低下がさらなる問題を起こさないよう、私どもも引き続きできる支援を行っていければと考えております。
2020年は今まで以上に多くの方に古着deワクチンをご利用いただきました。
おかげさまで、2021年1月までの累計で2,901,387人分のワクチンを寄付させていただくことができております。
私どもとしては、より多くの方に古着deワクチンを知っていただき、ご利用いただくことで、支援を継続できればと思います。
何よりも早期の収束を願っております。
現地に行って、子どもたちに会える日が待ち遠しいです。
いつも古着deワクチンをご利用いただいておりますこと、あらためて感謝申し上げます。
日本リユースシステム株式会社
エコ得スッキリ・ライフサービス事業部
今野優子